イノベーションを起こすには産学連携しかない

最近は、産学連携に興味が向いています。
日本企業はイノベーションを起こすためにリスクを取って研究開発する必要がありますが、現状難しいです。
企業がリスクを負担できない以上、大学がリスクを負担して、それを企業にライセンスするしかない。産学連携は昔から重要性が説かれてますが、今こそ真剣に考えるべきなんじゃないかなぁ、と思う次第です。

まずは、省庁が出している報告書を読もうっと。


特許庁 平成28年2月)
産学官連携から生じる研究成果活用促進のための特許権の取扱に関する調査研究
https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/chousa/pdf/zaisanken/2015_04.pdf

経済産業省 平成28年3月)
大学における産学連携活動マネジメントの手引き
http://www.meti.go.jp/press/2015/03/20160325007/20160325007-2.pdf

文部科学省 平成28年3月16日)
大学の成長とイノベーション創出に資する大学の知的財産マネジメントの在り方について
http://www.mext.go.jp/component/a_menu/science/detail/__icsFiles/afieldfile/2016/03/18/1368175_02.pdf

知財部は「分かりやすい説明」ができてなんぼ

「特許は分かりにくい。制度が分かりにくい上に、そもそも取る意味がよく分からない。
けど、特許を取っておかないとなんかまずいっぽい。
で、どうすりゃいいの?」

研究者に相談された知財部員。どのようなスタンスで研究者に接すればよいでしょうか?


1.知財部の仕事は「分かりやすく説明すること」

ただでさえ、コストだけかかってメリットが無いように思われがちな特許。
だからこそ、こういった相談に来る人たちを大切にし、地道に分かりやすく説明することが大事です。

知財部は研究職よりも下に見られがちで、知財部員もその反発からか、せっかく相談に来た研究者を適当にあしらってしまう人もいるように思います。

また、知財部員は元研究者の人も多く、職人気質で、なかなかサービス精神にあふれた「分かりやすい説明」ができない、あるいはコンプレックスから「分かりやすい説明」を最初からあきらめている人を見ます。

知財部員は、出願業務など日々のルーティンをきっちりこなしているだけではダメです。
プロに徹して、サービス精神にあふれた対応をすることが大事です。
これは研究畑にいた人にはつらいかもしれません。でも、これを続けていれば、自ずと知財部の地位も向上するでしょう。


2.自分の仕事の意味をしっかり理解しよう

①特許を取る意味って?
②なんでこんな制度になってるの?

案外こういう基本的な質問って、すぐに答えられないんですよね。

①は、この記事にも書きましたが、案外説明が難しい。自社の事業展開戦略、市場などを理解して、これを踏まえた上で特許の必要性を説明しないとダメ。単に一般論を述べただけでは相手も腹落ちしないですね。

②は、例えば、この前、「出願して1年半後に公開される制度らしいけど、なんですぐに公開されないの?そのタイムラグは何?」という質問を受けました。
もちろん、弁理士試験の勉強をしていれば答えは分かりますが、日常の出願業務をやる上では、あまり必要ない知識なので忘れてしまうんですよね。けど、即答できないと相手からの信用は落ちてしまいます。

ともすればルーティンワークになりがちな、知財部の仕事。
しかし、その一つ一つの意味についてしっかり掘り下げて理解しておかないと、
いざというときに困ります。


3.最後に
知財部に限らず、知財関係の仕事は基本サービス業です。しかも、その価値はなかなか人に理解してもらえません。「特許を取ってもお金ばかりかかって何もいいことがないじゃないか。」こういう人たちにどうやってその価値を理解してもらえるか。ここに注力しなければ、知財そのものが衰退して、日々のルーティンワークどころではなくなってしまいます。

「ゼロ秒思考」はじめます

「ゼロ秒思考」という本があります。

www.amazon.co.jp

A4の紙に1件1ページで書く。
ゆっくり時間をかけるのではなく、1ページを1分以内にさっと書く。
毎日10ページ書き、フォルダに投げ込んで瞬時に整理する。
それだけで、マッキンゼーのプログラムでも十分に教えていない、最も基本的な「考える力」を鍛えられる。
深く考えることができるだけでなく、「ゼロ秒思考」と言える究極のレベルに近づける。
~本文より~

年度も新しくなったし、今日からこれを始めることにしました。

僕は、与えられた問題を解決するのはわりと得意なのですが、「自分から動く」ことが苦手です。自分が本当に何をしたいのか、あるいは自分は本当は何をすべきなのか、自分なりの「行動指針」を持っていないのです。

「行動指針」が無いから無駄な行動が多いです。
例えば思いつきで英会話学校に行く。行ってみたものの、長続きせず、結局お金と時間が無駄になった。こんなことはありませんか?

これは、そもそも自分の中で本当に「英会話学校に行きたい」と思っていないからです。自分としっかり向き合って、「英会話学校に行く必要性」を詰めていない。CMの影響とか友達が行っているから、という曖昧な理由で行動しているから、長続きしないのです。

僕もこうした経験がゴマンとあります。しかし人生は有限です。やりたくもないことに時間とお金を費やしている余裕はありません。自分と向き合いましょう。

「ゼロ秒思考」は、自分の思考を紙に書き出すというアナログな手法ですが、自分と向き合うには良い方法だと思いました。

進捗は随時報告していきますね。とりあえずは1ヶ月!

何が君の幸せ 何をして喜ぶ
解らないまま終わる そんなのは嫌だ!
~「アンパンマンのマーチ」より~

 

プロダクト・バイ・プロセス・クレームの訂正審決がいい感じだ

1.背景
プロダクト・バイ・プロセス・クレームに関する最高裁判決により、
物の発明のクレームに、その物の製造方法が記載されている場合、
「不可能・非実際的事情」が存在しない限り、明確性要件違反となることが判示された。

最高裁第二小法廷判決平成27年6月5日(平成24年(受)第1204号)
http://www.courts.go.jp/app/files/hanrei_jp/145/085145_hanrei.pdf


これは既に権利化された特許にも及ぶから、プロダクト・バイ・プロセス・クレームの多くが無効理由を含むのでは無いかと懸念されていた。

無効となることを回避するための解決策として、訂正審判を行い、請求項のカテゴリを、「物」から「製造方法」に変更することが考えられるが、「実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであってはならない。」との要件(特許法第126条第6項)の判断については、今後の審決の中で示されることとなっていた。

訂正審判・訂正請求Q&A(Q15参照)
https://www.jpo.go.jp/toiawase/faq/pdf/sinpan_q/03.pdf


特許庁としても、このカテゴリ変更を認めないと権利無効が乱発し、混乱が生じるから、なるべくなら認めたいところであろう。しかし、どのような論理展開とするのかが問題であった。

そんな中、カテゴリを変更する訂正を認める審決が特許庁から出された。

プロダクト・バイ・プロセス・クレームの「物」の発明から「物を生産する方法」の発明へのカテゴリー変更を含む訂正審判事件の審決について
https://www.jpo.go.jp/tetuzuki/sinpan/sinpan2/pbp_teisei_sinpan.htm


2.審決の概要
まず、請求項は以下のとおりである。

<訂正前請求項1>
基材と、発泡シリコーンゴムからなる弾性層と、表層とをこの順に有し、該発泡シリコーンゴムは発泡剤としてシリカゲルを含む液状シリコーンゴム混和物を発泡および硬化させて形成したものであることを特徴とする電子写真装置用の熱定着装置に用いられる定着部材。」

<訂正後請求項1>
基材と、発泡シリコーンゴムからなる弾性層と、表層とをこの順に有する電子写真装置用の熱定着装置に用いる定着部材の製造方法であって、該発泡シリコーンゴムを、発泡剤としてシリカゲルを含む液状シリコーンゴム混和物を発泡および硬化て形成ることを特徴とする定着部材の製造方法

 

そして、審決の内容は以下のとおりである。

(1)訂正の目的について(特許法第126条第1項)
最高裁判決を受けて、訂正前請求項は「『発明が明確であること』という要件を欠くおそれがある」とし、訂正は、このような明確性要件を欠くおそれのある請求項を訂正するものなので、「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものであるとしている。

これは、上記Q&AのQ15に記載のとおりである。
ただし、審決では、訂正前請求項はあくまでも明確性要件を欠く「おそれがある」としていて、実際に訂正前請求項が明確性要件を欠くか否かについては判断していない。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内のものであるか否かについて(特許法第126条第5項)
訂正後請求項1にかかる発明は、明細書に記載されているとしている。

(3)訂正が実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものであるか否かについて(特許法第126条第6項)
本審決では、この点について、以下二つの観点から判断している。

ア 発明が解決しようとする課題とその解決手段について
イ 訂正による第三者の不測の不利益について

<アについて>
本審決では、訂正前後の請求項に係る発明の「技術的意義」(※)を持ち出し、訂正前後で「技術的意義」が拡張又は変更されていないかどうかを判断している。この点が本審決最大のポイントであろう。
(※)「技術的意義」とは、「発明が解決しようとする課題」及び「その解決手段」(特許法第36条第4項第1号)。

大事な点なので、より詳しく説明する。

例えば、以下の請求項を考える。


「物」の発明の請求項
 A手段と、・・・とを備える物。

「製造方法」の発明の請求項
 Aするステップと、・・・とからなる製造方法。


この場合、「物」の発明における課題解決手段は「A手段を備えること」であるのに対し、「製造方法」の発明における課題解決手段は「Aするステップを行うこと」となり、両者は同一の課題解決手段とは言えず、訂正前後で「技術的意義」が「変更」されたと判断されると思われる。

しかし、プロダクト・バイ・プロセス・クレームにおいては事情が異なる。

例えば、以下の請求項を考える。


プロダクト・バイ・プロセスクレーム(「物」の発明の請求項)
 Bと、・・・を備え、BはCにより製造したものであることを特徴とする物。

「製造方法」の発明の請求項
 Bと、・・・を備える物の製造方法であって、BをCにより製造することを特徴とする製造方法。


この場合、「物」の発明であっても、「製造方法」の発明であっても、解決手段は、「BをCにより製造すること」となり、同一の解決手段となる。

つまり、本審決では、訂正前後の拡張又は変更を、「技術的意義」を対象として判断するという論理を持ち出すことで、プロダクト・バイ・プロセス・クレーム → 製造方法クレームのカテゴリ変更については、拡張又は変更が無いと判断可能にしている。

<イについて>
以下のとおり、「物の発明」の「実施」として挙げられている項目(物の生産、使用、譲渡等・・・)と、「物を生産する方法の発明」の「実施」として挙げられている項目とは全て対応する、とし、

「物の発明」の実施(第1号)とは、「その物の生産、使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為」であり、「物を生産する方法」の実施(第3号)とは、「その方法の使用をする行為」(第2号)のほか、その方法により生産した「物の使用、譲渡等、輸出若しくは輸入又は譲渡等の申出をする行為」である。ここで、「物を生産する方法」の実施における「その方法の使用をする行為」とは、「その方法の使用により生産される物の生産をする行為」と解されることから、「物の発明」の実施における「その物の生産」をする行為に相当する。

その上で、「物を生産する方法の発明」における「物」とは、特定の製造方法(「物を生産する方法」)により生産された「物」に限定されるので、
「物を生産する方法の発明」の「実施」は、「物の発明」の「実施」よりも範囲が狭く、「物の発明」の実施の範囲に含まれる。
そのため、「物の発明」を「物を生産する方法の発明」の変更したとしても、侵害の対象となる「実施」が狭まるだけなので、第三者には影響が無い、としている。

結局、本審決は、上記ア及びイを判断して、以下のとおり訂正要件を満たすとした。

訂正後請求項1発明の技術的意義は、訂正前請求項1発明の技術的意義を実質上拡張し、又は変更するものではなく、訂正後請求項1発明の「実施」に該当する行為は、訂正前請求項1発明の「実施」に該当する行為を実質上拡張し、又は変更するものとはいえないから、訂正事項1は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。


今後はどのような場合に、特許庁においてカテゴリ変更が認められるのだろうか。
上記イについては、プロダクト・バイ・プロセス・クレームに限らず、「物の発明」を「物を生産する方法」に変更する場合全てに当てはまる。

そのため、今後、プロダクト・バイ・プロセス・クレームを、製造方法クレームにカテゴリ変更する訂正が特許庁おいて認められるか否かは、上記ア、つまり、請求項中プロダクト・バイ・プロセス形式で記載された部分が、発明の課題解決手段か否か、がポイントとなるだろう。

怒りマネジメント

社会人になってすぐの頃、良くしてくれた先輩がいた。
飲みに誘ってくれたり、組織の仕組みを教えてくれた。
この人のおかげで人見知りの僕は組織に溶け込んでいけた。

少し経ってから、この先輩は干されていることを知った。
どうやら昔、怒って上司に暴言を吐いたらしい。
この先輩の同期は次々と昇格していき、結局この先輩だけが昇格せずに残った。
この先輩の仕事の評判は良かったにもかかわらず、である。
なんという恐ろしい世界なんだろう、そんなこともこの先輩が教えてくれたのだった。


突出した能力があるのなら別だが、僕を含む大多数の凡人は「怒りマネジメント」が必要だ。

1.そもそも怒りとは何か
怒りとは、人間の脳にインストールされているアプリのようなものだ。

太古の昔、まだ僕らが類人猿だった頃、僕らの脳に「怒り」アプリはインストールされた。
このアプリ起動条件は以下①である。
 相手の実力 > 自分の実力と感じたとき・・・①

自分の実力 > 相手の実力 であれば、ただ単純に相手を殺してしまえばいい。
しかし、相手の方が体格が大きかったり、病気で体力が無くなっているとき、すなわち①のとき、普通に勝負を挑めば殺されてしまう可能性が高い。そこで、怒って相手を威嚇して戦闘を回避することを僕らの先祖は覚えた。
それが僕らの先祖の脳に「怒り」アプリとして刻み込まれ、現在に至っている。

しかし、もちろん現代では「言葉」もあるし「法律」や「裁判所」もある。
殺される可能性なんてほぼ0なのだから、①であっても「怒り」アプリを起動させる必要なんてないわけだ。
しかしこのアプリ、何百万年もアップデートされていないし、削除することもできない。現代においても、起動条件が揃ってしまうとアプリは起動してしまうのだ。


2.対策
僕らはこんなクソみたいなアプリと付き合っていかなければならない。そこで「怒りマネジメント」が必要になる。

「怒りマネジメント」のゴールは何があっても怒らないことである。怒ることは、時間、エネルギーの無駄。しかも地位や信頼も失う。百害あって一理なし。
まずはこれをしっかり認識する必要がある。

では、具体的にどうすればいいのか。
①が起動条件であるのだから、
 相手の実力 > 自分の実力 と感じないようにすることが基本方針である。

相手の実力は変えようがないから、「自分の実力」を上げるか、下げないようにするしかない。

(1)勝てる「自分の実力」のカテゴリを決めておく。
お笑い芸人の鈴木拓ドランクドラゴン)はこんなことを言っている。

「スベっても、その気になればこの司会者を殺せると思えば前向きになれた。」
鈴木拓ブラジリアン柔術の有段者と言われている。

これから分かるのは、相手による脅威のカテゴリと、「自分の実力」のカテゴリが一致していなくてもいいということである。
例えば、「仕事」のことで上司から叱られていたとしても(脅威のカテゴリは「仕事」)、
 自分の「格闘技」の実力 > 相手の「格闘技」の実力
を感じていれば、怒りアプリを起動させないことができる。

相手に勝てる、と思えるカテゴリを決めておこう。
例えば、年収、モテ度、筋肉、学歴、など色々ある。

(2)「自分の実力」を下げない。
そうは言っても、相手に勝てるカテゴリが見当たらない人もいると思う。
そういう時は、少なくとも「自分の実力」を下げないようにすることだ。

例えば、肉体面で言えば、食事、睡眠をよく取ることだ。
空腹時や睡眠不足のときにイライラしやすいのは「自分の実力」が下がっていて、アプリが起動しやすくなっているのだ。僕は常にカバンにカロリーメイトを入れている。

あとは、精神面で言えば、よく準備をしておくことだ。
例えば、携帯の機種変更をしにショップに行ったときに、店員から想定外のことを言われたとする(今すぐ機種変したいのに、2年後までできないと言われる、など)。
そうすると、精神的に混乱して「自分の実力」が下がってしまって、店員に怒りの言葉を浴びせてしまう、なんてことはよく見る光景だ。事前にネットなどを使って機種変の仕組みをよく調べておくことで、精神面の「自分の実力」低下を回避することができる。

(3)逃げる、沈黙する。
それでも怒りが爆発しそうになったらとりあえず「トイレ」とか言ってその場を離れる。それもできないようであれば沈黙する。


大事なのは、怒りの仕組みを理解すること、「怒りマネジメント」のゴール(怒りを爆発させることは無駄なことなので、何があっても怒らないこと)を意識することである。


ほんと、こんなクソアプリと付き合って生きていくなんて人間は大変だ。
まぁ、それが人間だ、ということなんだろうけど。
あるいは、未来の人間は進化して「怒り」なんて無くなってたりするんだろうか。

近い将来、告白するときに髪の毛を渡すようになる?

SF(サイエンス・フィクション)が好きである。
好きであるがあまり、勢いあまってSF小説のようなものを書いてしまった。

1000年先の未来からやってきた日本人と夫婦別姓について対談した(前編)
1000年先の未来からやってきた日本人と夫婦別姓について対談した(後編)


SFの要は、未来の科学技術がどうなっているかを、ある程度のリアリティをもって予想する点にあるが、よく考えると、知財部の仕事と似ている。知財部の仕事は、将来使われると予測される自社技術の権利を取っておくことなのだ。

だから、知財部たるものSFに興味が無くてどうする、と思う。


ところで、SFというと、技術の進歩がフォーカスされがちだが、僕はそれよりも、技術の進歩によって人間の価値観、習慣、思想がどう変わるのか、という方に興味がある。


ガタカ」という映画がある。

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NASAにより、現実的なSF映画1位に選ばれた映画だ。

この映画では、技術が進歩して、誰でも気軽にDNA鑑定ができるようになった世の中が描かれている。
婚約相手の身辺調査として相手の髪の毛を入手し、不適正遺伝子の保持者でないかを確かめる。企業は、遺伝的に優れた人間を採用するために、採用候補者の遺伝情報を入手する。
結果、不適正遺伝子保持者が差別される「遺伝子による差別」が起きるようになる。
そんな世界を、不適正遺伝子保持者である主人公が、適正遺伝子保持者になりすまして生き抜く映画だ。

僕が印象に残っているのは、主人公の男に恋心を抱く女が、自分の髪の毛を男に渡そうとする場面である。「これで私のことを調べて」、と。
「私は、あなたに遺伝情報を知られる覚悟がある。それほどあなたのことが好きなのです。」という意思表示だ。
僕はこのシーンを見て、素直に関心した。「たしかに、こんな世界が来るかもなぁ」、と。それほどリアリティをもって描かれていた。良いSF映画である。

告白するときに、自分の髪の毛を渡す ・・・そんな世の中が来るかもしれない。


ちなみに、映画「ガタカ」では、髪の毛を渡された男は「風にさらわれた」と言って髪の毛を手放してしまう。

そう、本当に相手のことが好きなら、遺伝情報なんて関係ないのだ。

「J-PlatPatに固定リンクを」の要望を出すチャンス

産業構造審議会に「情報普及活用小委員会」というのがある。
https://www.jpo.go.jp/shiryou/toushin/shingikai/jouhou_fukyu_katsuyou_menu.htm

特許情報の普及活用施策をどう行っていくか、という興味深いテーマを扱っているので、配布資料の一読をおすすめします。

さて、この小委員会、報告書案がとりまとまったようでパブコメを行っている。
今こそ、「J-PlatPatに固定リンクを」の要望を出すチャンスである。
https://www.jpo.go.jp/iken/280309_bunkakai_saranaru.htm


ところで意外と知られていないのが、大学向けには既にJ-PlatPatの固定リンクサービスを行っているということである。
https://www.jpo.go.jp/torikumi/chouhoyu/chouhoyu2/daigakuipdl.htm

けど、これ、固定URLは大学内の人しか見られない。
例えば、大学の人(甲)が、同じ大学内の人(乙)に公開公報の固定URLを教えてあげた場合、乙は固定URLにアクセスできる。しかし、甲が大学外の人(丙)に、固定URLを教えても、丙は固定URLにアクセスできないのである。

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以下ウェブサイトに基づいて筆者作成
http://www.kanagawa-u.ac.jp/lib/pdf/IPDL.pdf
https://www.jpo.go.jp/torikumi/chouhoyu/chouhoyu2/daigakuipdl.htm
http://www.inpit.go.jp/j-platpat_info/othersinfo/fixed_gazette_url_for_university.pdf


なぜ固定URLを大学内使用に限っているかだが、どうやらサーバ負荷の問題らしい(真偽不明)。
http://togetter.com/li/46189

INPITの人も一般利用者への拡大は念頭にあるようではあるが、未だ実現されていない。
https://www.jpaa.or.jp/activity/publication/patent/patent-library/patent-lib/200706/jpaapatent200706_043-048.pdf
(p.48参照)


さぁ、みんな、「J-PlatPatに固定リンク」の要望を出そう。4月8日(金)まで。
https://www.jpo.go.jp/iken/280309_bunkakai_saranaru.htm