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特許って結構お金かかるよね?取る意味あるの?

経営層からこう質問されたらどう答えましょう?
特許を持つ目的は、一般的には、主に以下の①~③ですね。

①自社事業の保護
 特許を持つことで自社の事業を誰もマネできなくなる。これにより他者にとっては参入障壁になるし、いざマネしてきたら裁判に訴えることができる。

②クロスライセンス
 自社事業が他者の権利を侵害していた場合、逆に他者が侵害している特許権を自分が持っていればクロスライセンスに持ち込める。

③ライセンス収入
 特許を他者にライセンスして収入を得る。

ちなみにたまに「特許を取るのは、他者に権利を取られてしまったら自社事業が行えなくなってしまうのを防ぐため」と説明する人がいますが、これは違いますね。だって、他者に権利を取られるのを防ぐのが目的なら、別に特許を取る必要はなくて、インターネット上にでもその技術を公開して公知にしてしまえば良いのですから。


①②は効果がなかなか見えにくい。
しかし、③は実際に会社にお金が入ってくるわけだから、これは明確に効果が見える。
じゃあ、③の効果を見てみようか、と思って企業が出しているIR用の知的財産報告書を調べてみたがこの収支が載っていない(株主はどんどん追及すべきですね(笑))。

脇道にそれて独法・国立大学に目を向けてみよう。
税金を使っているので会計検査院が執行状況を調べて、報告書を作成・公表しているのだ。

会計検査院法第30条の2の規定に基づく報告書
http://www.jbaudit.go.jp/pr/kensa/result/27/pdf/271210_zenbun_02.pdf

この内容は日経でも記事になりましたね。

独法や国立大の8割、特許収支「赤字」 維持費かさむ
http://www.nikkei.com/article/DGXLASDG10H6A_Q5A211C1CR8000/


独法・国立大学は自分で事業を行っていない。つまり、特許を持つ目的は③しかない。
でも、③は上記のとおり赤字なので、独法・国立大学が特許を持っている意味はないということになるのだが・・・。


それはさておき、まぁ、民間企業でも③に関しては赤字でしょうね。①②についても検証困難だから経営層にはなかなか説明しずらいですね。①については、模倣品が出回ってシェアが落ちた事例(調べてませんが、おそらくジェトロあたりが報告書を出しているでしょう)を説明する、②についてはクロスライセンスしていればそれを説明する、という感じでしょうか。うーん、厳しい。

と、決算の時期に目に見えないプロフィットを主張せざるを得ない知財部員は思うのであった。


ちなみに独法・国立大学の話、そもそも独法・国立大学が特許をなぜ持つのだろう?と考えてみると面白い。
が、これはまた次回に。